ストライクゾーンにほぼ死角なし? ハム野村佑希の長所と課題に3つのデータで迫る

日本ハム・野村佑希【写真:荒川祐史】
日本ハム・野村佑希【写真:荒川祐史】

故障が多いものの昨年は99試合出場、今季はファン投票で球宴に選出された

 日本ハムの野村佑希内野手が三塁のレギュラーに定着し、中軸を担う機会も増加。ファン投票で初の「マイナビオールスターゲーム2022」出場も決めるなど、ここまで充実のシーズンを送っている。今回は野村の球歴や「セイバーメトリクスで用いられる各種指標」「投球コース別打率」「球種別打率」で打撃を検証する。(成績は7月10日終了時点)

 野村は花咲徳栄高校の主力打者として活躍し、2年時の2017年に夏の甲子園で全国優勝。2018年ドラフト2位で日本ハムに入団した。1年目の2019年は1軍出場機会がなかったものの、2年目の2020年には開幕戦に三塁手として先発出場。4試合目にプロ初安打を放つと、二塁打と三塁打も記録した。その後はレギュラーに定着しつつあったが、7月7日の試合で右手指を骨折。手術を受け、長期離脱を余儀なくされた。それでも、同年10月末に1軍復帰。11月は月間打率.421、5試合で10打点の活躍で翌年以降の活躍に期待を持たせた。

 昨年は2年連続で開幕スタメンに名を連ね、3月は5試合で打率.444をマークしたが、4月10日に左膝を痛めて約2か月間戦列を離れた。2年続けて故障に泣かされたが、6月初旬に復帰後は再びレギュラーに定着。主力として99試合に出場した。今季も開幕直後は故障で出遅れたものの、4月5日に1軍に合流して以降は好調を維持。7月10日時点での打率はリーグ5位と存在感を発揮している。

 野村が記録してきた年度別指標を見ると、四球を選ぶのにかかる打席数を示す「四球率」と、出塁率と打率の差を示す「IsoD」はともに低い数値。積極的な打撃スタイルを取っていることがわかる。三振率もやや高かったが、今季は四球率はほぼ横ばいで、2割台だった三振率は1割台に改善された。得点圏打率は20年が.357だったが、昨年は.214に低下。しかし今季は.303をマークしており、勝負強さが戻りつつある。

ストライクゾーンに来る球に大きな弱点なし、球種別では直球系が得意

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