清宮幸太郎は何が変わったのか 名伯楽・内田順三氏が分析、球宴弾に見た進化の跡
課題は正確性と再現性、近藤健介を「追いかければいい」
では、今季の清宮は何が変わったのか。内田氏は「技術力がアップしている。これまでは右足を上げて、体を止めるようなスイング。リズム、タイミングを取るのが苦しいのではと見ていました」とし、現在は足が地面から少し浮いた状態からすり足気味に前に流れるようになったと説明する。「上下の動きがなくなった。体重移動する中、左右の動きだけでボールとの距離感を取ればよくなりました」。
監督の指導も清宮の変化を促したと見る。清宮は昨年、2軍で本塁打王を獲得したが、初めて1軍出場機会がなかった。「高校時代の余韻があるからメンタル的に甘い部分があったのかも。(前監督の)栗山英樹監督は何かを感じ取ってほしいと考えて、ずっと2軍に置いたのでは」。新庄剛志監督は昨秋のキャンプで減量指令を出した。「食事で『痩せた』ではなく、練習をして『締まった』にしようと。何かを変化させる対象として言ったと思います」と推察する。
今後の課題には正確性と再現性を挙げる。「ダーツでも、動いて体が揺れながらでは、なかなか的に当たらないでしょう」と例え、無駄な動きをより省く重要性を説く。日本ハムには、内田氏が現在の球界で屈指のミート力を誇る打者の1人として評価する近藤健介外野手が在籍。「チームメートで目の前にいる。興味を持って話を聞いたり、追いかければいいんです」と語る。
「清宮は村上には一歩も二歩も遅れているが、23歳とまだまだ若い。大卒入団なら1年目ですよ。早咲きも遅咲きもありますから」。内田氏は成長の度合いをじっくりと見つめている。
(Full-Count編集部)