私服で練習、部室は落書きだらけの17年前 弱小校が甲子園で大阪桐蔭を破るまで

大阪桐蔭を下し4強進出を決めた下関国際ナイン【写真:共同通信社】
大阪桐蔭を下し4強進出を決めた下関国際ナイン【写真:共同通信社】

下関国際は創部からの40年間で県大会初戦突破は7回だけだった

“弱者が強者に勝つ”を体現した一戦だった。18日に行われた第104回全国高校野球選手権大会の準々決勝。第3試合で下関国際(山口)が、3度目の春夏連覇を目指した大阪桐蔭を5-4で破った。初の4強進出には、2005年に就任した坂原秀尚監督の生徒に寄り添う指導と、“弱者が強者に勝つ”精神があった。

 下関国際は優勝候補の“大本命”を相手に、初回に2点を先制されながら2度追いつく粘りの野球を展開。7回の守備では大会史上9回目の三重殺を記録し、1点を追う9回1死二、三塁で4番・賀谷勇斗一塁手(3年)が値千金の2点適時打を放ち、逆転で白星を手にした。

 下関電気工業を前身とする下関国際の野球部は1965年に創部。2017年夏の甲子園に悲願の初出場を果たし、今回が春夏合わせて5回目の全国舞台となる。しかし、坂原秀尚監督が2005年夏に就任するまでの40年間で、夏の山口大会初戦を突破できたのは7回だけの“弱小校”だった。

 当時、両翼60メートルほどのグラウンドには雑草が生え、整備用のトンボは1本もなかった。練習環境や道具に恵まれず、選手は私服の半袖シャツと短パンで練習に臨んでいた。

坂原監督が2005年夏に就任、環境を整え県屈指の強豪校となった

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