神奈川屈指の右腕がポーカーフェイスを崩した日 涙を流して感謝を表した“恩人”

針谷が見せた成長の跡「1球1球に意図が見えた」

 敗戦から数日後、「横浜ベースボール整骨院」を訪ねた。吉田さんから見た針谷は、どんなピッチャーだったのか。

「結果的には春のほうが抑えたかもしれませんが、私自身は春に比べたら、大きく成長していると感じました。その理由は、どんな狙いでその球を投げているのか、意図が見えたからです。特に4回戦の日大藤沢戦(10回を5安打1四死球8奪三振2失点)はそれが見えた試合でした」

 2年時までは、勢いで投げ込むタイプだったが、3年になってから1球1球の意図や狙いを明確に描きながら、ピッチングができるようになったという。

「針谷は先のことを見ながら、今の自分に何が必要かを考えられる子です。ただ、現状の課題に対して、どうすれば自分を成長させられるかの方法論まではまだ持っていません。私なりにアドバイスを送り、サポートしてきました」

 夏の大会が終わった後には、針谷から感謝の気持ちを伝えるLINEが届いた。そこには「悩んでいたときに指導していただき、吉田さんのおかげで最後は悩むことなく全力で腕を振ることができました」という一文があった。

「大学で即戦力になれるように準備していきたい」

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