プロの壁「ここまで捉えられないのか」 同級生の打球に焦り…ロッテ・西川僚祐、2年目の成長

ロッテ・西川僚祐【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】
ロッテ・西川僚祐【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

同期入団・山本の能力に焦り「このままだとどんどん差を付けられる」

 引っ張って特大の当たりを左翼席へ叩きこむパワーヒッターだが、憧れは逆方向にある。「逆方向に打てると投手も投げるボールが減って、自分ももっと楽にバッターボックスに入ることができる」。Youtubeでプロ選手の映像がいつでも見られる時代。様々な打者の動画を見て、感覚を追い求めた。「どこの方向にもホームランを打てるバッターが好きで……」。浅村栄斗(楽天)、鈴木誠也(カブス)や、マイク・トラウト(エンゼルス)の打撃も参考にしてきた。

「自分はまだライト前とか、打ててもライトオーバーなので、もっと飛距離を出せれば嫌なバッターになれる」。打撃練習でもセンター方向を意識するイメージで打席に入っている。逆方向へ持ち前のパワーを発揮できれば、自らが目標に掲げる「3割30本」へ、一歩近づける。

 意識するライバルもいる。同期入団で同い年の山本大斗外野手だ。育成で入団も、今年7月に支配下登録。同じ右の長距離砲で、9月30日のオリックス戦(京セラドーム)では1軍初出場も果たした。「山本が打つと自分も打たないといけないと思う。意識は凄くあります。去年一緒にプレーして、打球を見ていると、このままだとどんどん差を付けられると焦りを感じました。それでオフの期間、頑張ってきた」。ファームではともに上位を打って打線をけん引。1軍デビューは先を越されたが、それがまた、来季への刺激にもなる。

 今季1軍で16本塁打を放った山口航輝外野手や山本ら、高卒で獲得した和製大砲が育ちつつあるロッテ。「フェニックスもありますし、今の自分よりもレベルアップした状態でキャンプインしたい」。来季は1軍の舞台で、自分の力を試すシーズンにする。

○西川僚祐(にしかわ・りょうすけ)2002年4月19日、千葉県船橋市出身。18歳。小学1年時に野球を始める。中学では佐倉シニアに所属。東海大相模高に進学し、2年夏に甲子園出場。高校通算55本塁打。2020年ドラフトでロッテから5位指名を受け入団。186センチ、98キロ。右投げ右打ち。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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