データと感性で導いた“真ん中勝負” ダルビッシュが大舞台で見せた知的投球

ピンチで“真ん中勝負”…メッツ打線を翻弄した配球

 この日の101球を支えたのは、独自のデータと感性から導いた組み立てだった。

 今季に言い続ける“勉強”という名の、独自収集したデータを元にした配球を生かして、4万1621人が埋め尽くした敵地のシティ・フィールドで相手打者を翻弄していった。その好例が、初回、2死一、三塁の場面で迎えた4番アロンソとの対決だった。カウント0-2から大胆に真ん中低めの91マイル(約146キロ)のカットボールで3球勝負を挑んだ。結果は見逃し三振。

 明確な意図があった。

「ちょっと危ないかなと思いましたけれども、最初にツーシームも投げました。(決め球は)多分スライダーを狙っているだろうと思ってたので、あのぐらいの速さで来ると、ツーシームなのかそれともスライダーなのかって一瞬迷ったところだったと思うので」

 前日の会見でアロンソは「彼はビッグネーム投手。我々に対していい投球をしてきた。だが僕らみんな、ビデオで研究し、十分すぎるくらい準備をしている」と自信をみなぎらせていたが、絶好機でダルビッシュの“知脳”に完敗した。

大一番も「普段と同じと思えば大丈夫」

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