満塁サヨナラ機が一瞬で絶望に…衝撃的な終戦も…DeNA三浦監督が40歳に託したワケ

CSのハマスタ動員数、3日連続でシーズン中の最多を上回る

 守っては、先発の浜口遥大投手が、5回まで佐藤輝のソロによる1失点に抑えていた。2-1と1点リードして迎えた6回。ブルペンでは、今季開幕投手で中継ぎに配転された東克樹投手、入江大生投手らがスタンバイしていた。三浦監督も試合前には、短期決戦だけに早めの継投を想定していたが、時おり制球を乱しながら2安打2四球1失点と粘っていた浜口を信じ、5回裏の打席に立たせた上で続投させた。結果的には、先頭の北條に左翼線二塁打、続く近本に右翼フェンス直撃の適時打を許し、同点に追いつかれて降板。入江が後を引き継いだが、相手の勢いを止められず、原口に決勝の左前適時打を浴びた。

 阪神は先発の才木から、浜地、岩貞、西純、湯浅と小刻みにつなぎ、DeNA打線をかわした。一方で今季28セーブ、防御率1.96をマークしながら、第1戦の投球で不安をのぞかせた岩崎は、使わずに済ませた。変幻自在の“短期決戦用”の戦術において、阪神に一日の長があったと言えるのではないだろうか。

 とはいえ、ファンはDeNAの戦いを支持していた。このファーストステージ3試合の観客動員は3万3033人、3万3037人、3万2977人。全試合でレギュラーシーズンの横浜スタジアム史上最多記録(3万2819人)を上回った。振り返れば、レギュラーシーズンでは、チーム防御率を昨季の4.15(リーグワースト)から3.48(同3位)へ劇的に改善し、2位躍進の要因となった。

 三浦監督はレギュラーシーズン中、最下位だった昨季と比較されることを良しとせず、「去年は去年。あくまで優勝を狙ってやっていますから」と高い目標を掲げてきたが、最後に初めて「1年でいいチームに変わってきたと思います」とうなずいた。「けれど、もっともっと変わっていかないといけない」と意欲を新たにする。視線の先には、希望しかない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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