「全ての投手に幸せになってほしいんや」 ロッテ新監督の吉井理人氏は“こんな人”
激情家だった過去「ワシ、しょうもない選手やったからな…」
投手を守ろうとする姿勢は、師匠にあたる権藤博氏(元横浜監督)から吸収したものだろう。時計の針をさらに戻す。吉井氏は現役時代の1989年、近鉄のストッパーとしてパ・リーグ制覇に貢献した。ところが優勝を決めたダイエー戦で、当時の仰木彬監督は9回、先発エースの阿波野秀幸投手をマウンドに送り出した。吉井氏は激昂、ひとりチームの輪を離れて、胴上げ中もブルペンにいた。投手コーチだった権藤氏はそこに現れ、「スマン」と詫びてきたのだという。権藤氏は直後、近鉄を去った。辞め方まで同じだった。
とはいえ、感情だけで動く人間ではない。日本ハムを離れた2013年からは、筑波大の大学院で“学び直し”をしている。「ワシ、引退してすぐコーチになったから、この教え方で本当にいいのか分からんのよ。学問的な裏付けが欲しいんや」。日本ハムのキャンプに、論文のための取材に訪れたこともあった。修士号を得て、その後もコーチ生活を続けている。
もうひとつ、吉井氏の根底には、プロ野球選手は常に「カッコよくあらねばならない」という考え方ががある。
(羽鳥慶太 / Keita Hatori)