“結束力”で掴んだ甲子園 横浜高の前主将、アクシデント乗り越えた仲間との絆
くじけそうな心を救ってくれた仲間…メンバー外の3年生に対する感謝
体調面を考慮しながら、グラウンドに行ける時には練習に顔を出した。それでも、激しい運動はできず、もどかしい気持ちで練習を見守るのみ。キャプテンであるにもかかわらず、役割を果たすことができない。くじけそうな心を救ってくれたのが、チームメートだったという。
「練習からの帰りに、ご飯に誘ってくれたり、家系ラーメンを食べたりして、そこでたわいもない話をするのが楽しかったです。練習がオフの日には、映画に誘ってくれたこともあって。自分に気を遣うというよりは、いつもどおりに接してくれていました。自分たちの学年20名は本当に仲がよくて、寮生であれば、岸本(一心)や八木田(翁雅)、板倉(寛多)とかは家族以上に一緒の時間を過ごしていたので、何でも言える仲でした」
玉城が練習を休んでいる時に、代わりにキャプテンを務めたのが岸本だった。
「最初は戸惑いがあって、チームの状態もなかなか上がっていかなかったんですけど、玉城だけに頼るのではなくて、玉城が戻ってこられなかったとしても、勝てるチームにしようと」
玉城が復帰できれば、より強いチームになれる。年明けから、少しずつ練習に入るようになり、春の大会前には本格復帰を果たした。夏の決勝で東海大相模を下し、応援席に挨拶をした後、玉城が先頭となって、メンバー外の3年生のもとに駆け寄る姿があった。
「自然に、『あいつらのところに行きたい』と思いました。『今まで、ありがとう!』って」
助けてくれる仲間がいたからこそ、挫けずに前を向くことができた。