指名漏れから3年、最速147キロ左腕に成長 西濃運輸・林優樹が迎える運命のドラフト

ドラフト候補の西濃運輸・林優樹【写真:清水しんや】
ドラフト候補の西濃運輸・林優樹【写真:清水しんや】

近江高から西濃運輸を経てプロ入りを目指す林優樹

 春夏通算3度の甲子園出場を誇る技巧派左腕が、“2度目”のドラフト会議を迎える。2018年夏の甲子園第100回記念大会では2年生ながら強豪・近江高投手陣の一翼を担い、2001年以来17年ぶりの8強入りへ導いたのが林優樹投手。酸いも甘いも経験した左腕は最速147キロの速球、自慢のチェンジアップを武器にプロの扉をたたこうとしている。

 甲子園の名場面として語り継がれていくであろう2018年夏の甲子園準々決勝、金足農業戦の「サヨナラ2ランスクイズ」が決まった時に、マウンドにいた背番号「18」として覚えている人も多いだろう。現在は社会人野球の名門・西濃運輸に籍を置き、高卒3年目の今年はドラフト解禁年。会議は開かれる10月20日を前にして「1日がすごい長くて、夜も眠れなくて、寝つきが悪くて」と緊張の日々を過ごしている。

 近江高3年の2019年にプロ志望届を提出も名前が呼ばれることはなかった。指名漏れした日を「スタートに立てた1日」と位置付けている。

「あの時は家族の想いもあって出させてもらったんですけど、かかるつもりもなくて。ハラハラ、ドキドキもしなかったです。むしろ、同い年の選手がどこへ行くのかなと、楽しみに見ていた」と振り返る。

 過度な期待を抱かなかった理由は、プロ入り確実な選手との実力差を痛感したから。大船渡高の佐々木朗希投手(ロッテ)や星稜高の奥川恭伸投手(ヤクルト)らと共に“歴代最強投手陣”と謳われた高校日本代表「侍ジャパン」の一員として過ごした日々は「何をするにも衝撃的な毎日」だった。体格差や、速球の威力を目の当たりにした。

故障乗り越え、自己最速は高校時から15キロアップして147キロに

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