大舞台でも“変化”を恐れぬダルビッシュ 好投の裏にあった「数センチ」の微修正
プレートの踏み位置をいつもの三塁側からわずかに中央寄りにずらした
フィリーズは同地区、ナ・リーグ東地区の覇者で昨季のワールドシリーズを制したブレーブスを倒し勝ち上がってきた。その相手に、ダルビッシュは秘策を立てて臨んだ――。プレートの踏み位置をいつもの三塁側からわずかに中央寄りにずらした。
その変化の裏に、何を思ったのか。問いかけた。
「右バッターにツーシームを投げたくて、ずっと何か月か三塁側を踏んでいたんですけど、そこからツーシームを右に投げるのがすごく窮屈で投げづらくて。スライダーを生かすためのツーシームを投げたかったから、真ん中のほうにしました。“数センチ”です」
淡々と返したが、リーグ優勝決定シリーズの初戦を任された大事なマウンドでも、変化を恐れなかった。その目論見は結果に結び付く。右打者には1本のヒットも許さなかった。
降板するまでの6回で、最も球数を投げたのが初回の立ち上がりの19球。これも、右手の使い方を微修正した影響で、この試合がいわば、初の実践となった。
「右手の使い方というか、力を入れる部分というのを変えて。それをアジャストするのにょっと時間がかかったというところですね」