近藤健介が“最も必要なパ球団”は? 「2つの弱点」埋めてくれる救世主になる可能性
守備全般の貢献度を示す指標「UZR」では西武とソフトバンクが欲しい?
続いて、守備全般の貢献度を示す指標「UZR」を見てみる。同じ守備位置の平均的な選手が守る場合に比べてどれだけ失点を防いだかを表す数値を意味する(カッコ内は守ったイニング数)。左翼に関してだけ見てみると、最も高いのが楽天の西川遥輝が13.9(763回1/3)の数値。10を超えてくると評価が高い部類に入るが、2桁超えは西川と10.6のロッテの荻野(678回)のみとなっている。
今季オリックスで最も多く左翼を守ったのは中川圭太(423回)、ソフトバンクはグラシアル(584回)、西武は前述した通りオグレディ(748回1/3)。「UZR」が3.8の中川は2.4の近藤よりも数値は高いが、グラシアル(-5.7)とオグレディ(-0.4)は近藤よりも下回っている。ここでも西武とソフトバンクが近藤を必要とする意図がうかがえる。
西武はドラフト1位でも早大の即戦力・蛭間拓哉を指名したことでもわかるように、ウィークポイントは打てる外野手。外野のレギュラーを固定できていないチーム状況で、近藤の存在は補強ポイントに合致する。打順によっては、なかなか固定できなかった1番起用もはまれば大きな戦力になることは間違いない。ソフトバンクも左翼では柳町が奮闘しているが、近藤が中軸に加わればV奪回へ大きなピースとなるに違いない。
どの球団も喉から手が出るほど欲しい選手だが、西武やソフトバンクが積極的なことはうなづけるのではないだろうか。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。