世界一奪還のカギ握る国際試合の“対応力” ボール、ロジン…侍投手陣にあった違和感

準決勝では会場が米フロリダに…ロジンの違いも

 国際試合となればボールの違いだけではない。伊藤が2試合で感じたのは、滑り止めとして用いられるロジンの質。「ロジンの感覚がいつもと違うというのはみんな話しています。付け方とか考えてやっています」と話す。「気にしないのが一番だな」と割り切ったが、完全に手応えは掴めていないようだった。

 他にも球場の違いも国際試合ならではの課題だ。佐々木朗は札幌ドームで初めての登板。4回を4安打無失点に抑えた一方で、奪三振は2と、シーズン中の本調子ではなかった。佐々木朗も「札幌ドームのマウンドは初めてで、ボールもいつもと違ったので、探りながらでしたが徐々に修正しながら投げました」と振り返った。WBCでも、準決勝からはマーリンズの本拠地ローンデポ・パーク(米フロリダ州マイアミ)で行われる。異国の地での登板にも慣れる必要がある。

 一方、今回の強化試合4試合では、投手陣最年長のソフトバンク・石川柊太投手らを中心に全体で感覚の違いを共有しあった。8日の前日練習後の会見で「対応はさほど難しくないという風に僕は認識している」と話した今永は翌9日、4回3安打10奪三振無失点の奪三振ショーを見せた。

 若手中心の選出となった今回の強化試合。投手陣には様々な対応が求められた。本戦には、エンゼルス・大谷翔平投手やパドレス・ダルビッシュ有投手らMLB組も出場の可能性がある。単なる実力だけでなく、“対応力”も本戦での代表選出の大きなカギになりそうだ。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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