菊池涼介に迫り来る“GG賞陥落”の危機 一気に縮まった票差…データで顕著な変化

巨人・吉川尚輝、広島・菊池涼介、ヤクルト・山田哲人(左から)【写真:荒川祐史、小林靖】
巨人・吉川尚輝、広島・菊池涼介、ヤクルト・山田哲人(左から)【写真:荒川祐史、小林靖】

2020年には275票差あったのに…今年はわずか27票差

 14日に発表された「第51回三井ゴールデン・グラブ賞」で、広島の菊池涼介内野手がセ・リーグ二塁手部門で10度目の受賞を果たした。10年連続は、広島の大先輩・山本浩二氏(1972~1981年)に並ぶ最多連続記録。誰もが知る“球界の名手”だが、独壇場でなくなってきている現実もにじむ。

 292の有効投票数のうち、菊池涼は114票を獲得。過半数には届かず、得票率は39%にとどまった。次点以降は、ヤクルト・山田哲人内野手が87票、巨人・吉川尚輝内野手が71票と割れる結果に。もしどちらかに票が集まっていれば、結果自体がひっくり返っていた可能性もあった。

 2位との差はわずか27票。これまでダントツだった過去と比べると、一気に縮められた印象が強い。直近5年でみると、2017年以降の票差は238、236、90、275、92。万年2位の山田の活躍次第で縮まった年はあったものの、その座が揺らぐほどではなかった。

 データ的にも、“変化”は見て取れる。セイバーメトリクスの指標などを用いてプロ野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを参照に、守備全般での貢献を示す「UZR(ultimate zone rating)」に着目した。

 同じ守備位置の平均的な選手に比べてどれだけ失点を防いだかを表す指標で、菊池は2016年に13.7を記録。10を超えれば超一流とされる中で、抜群の貢献度を見せた。以降、シーズンによって上下を繰り返しながら、2021年は0.2と厳しい結果に。今季は6.2と持ち直したが、リーグでは吉川の11.0、山田の7.8に次いで3位。2021年も3位、2020年までの3年間は2位という状況が続いてきた。

年々狭まる守備範囲…それでも“忍者美技”は健在

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