ついに20人目…止まらない西武の“FA悲劇” 失われる主力たち、来年も戦々恐々
1994年オフに工藤&石毛がダイエーへ…今回の森が20人目のFA移籍だった
オリックスは16日、西武から国内フリーエージェント(FA)権を行使した森友哉捕手の獲得を発表した。西武からのFAによる他球団流出は2019年オフに海外FA権を行使してメジャー移籍した秋山翔吾(現広島)以来3年ぶりで、12球団最多の20人目となった。ここでは過去の“流出劇”を振り返る。
1993年オフに導入されたプロ野球のFA制度。1994年オフに、黄金時代を形成した工藤公康、石毛宏典がダイエー(現ソフトバンク)に移籍したのが最初だった。その2年後にはチームの顔だった清原和博が巨人へ。来季から1軍の指揮を執る松井稼頭央も2003年オフにメジャー移籍を決断した。
その後も続く。2005年首位打者の和田一浩は2007年オフに中日へ。押しも押されもせぬ正遊撃手だった中島裕之(宏之、現巨人)は2012年オフにメジャー移籍を目指して権利を行使。翌年には涌井秀章がロッテ(今オフに楽天から中日に移籍)に、岸孝之は2016年オフに楽天へ渡った。
“山賊打線”が機能し、辻政権でリーグ初制覇を遂げた2018年オフにも同年の打点王・浅村栄斗と捕手の炭谷銀仁朗がチームを離れ、翌年オフにヒットメーカーの秋山も去った。そして今回、森がオリックスへの移籍を決断した。
それでも、流出が始まった1995年シーズン以降の28年間でリーグ優勝を7度果たすなど、Aクラス入りは22度を誇る。昨年は“西武元年”の1979年以来となる最下位に沈んだものの、今季は優勝争いに絡んで3位に。定評あるスカウティングや育成で流出を補っている。しかし、それも限界があるだろう。
ただ、近年は中村剛也、栗山巧というチームの顔が相次いで残留。今季国内FA権を得た外崎修汰も4年契約で宣言残留した。来年は山川穂高、源田壮亮が国内FA権を取得する見込み。流出に拍車がかかるのか、それとも新たな流れが生まれるだろうか。