大阪桐蔭・前田、“世代No.1”の矜持 「研究されて打たれるようではそこまでの投手」
東邦のプロ注目右腕も脱帽「本塁打を打たれても気持ちの変化見えない」
世代No.1投手の座は譲らない──。秋の日本一を決める「第53回明治神宮野球大会」は18日、神宮球場で第1日が行われ、高校の部1回戦では昨年優勝の大阪桐蔭が9-1の大差で東邦(愛知)を下した。エースで主将も務める左腕・前田悠伍投手(2年)が先発し、8回1失点。20日の準々決勝でクラーク記念国際(北海道)と対戦する。
決して調子が良いわけではなかった。時折り球が高めに浮き、1-0とリードして迎えた3回には、相手の1番・中村騎士内野手(2年)に左翼席へ同点ソロを運ばれた。8イニングで8安打1四球を許し、3者凡退は4回の1度だけ。前田は「朝一番の試合(午前8時30分開始)に、ベストコンディションでは臨めていなかった」と明かす。
キレ味鋭いストレートは、“前田対策”として距離を短くして左投手の球を打ち込んできた東邦打線に何度か打ち返されたが、それでも慌てる素振りは見せなかった。「相手が真っすぐを狙って初球からどんどん打ってきていることに気付いて、ツーシームやその他の変化球でうまくタイミングをずらすことができたと思います」と満足げに振り返った。
相手先発の宮國凌空投手(2年)もプロ注目の右腕だが、味方の守備の乱れもあって5回6失点(自責点5)で降板。「前田投手が世代No.1投手だと思っていて、見習うべき所がたくさんありました。常に自信を持って投げている。ホームランを打たれても気持ちの変化が見えず、走者を出しても強気に攻めていました」と舌を巻いた。