アマ球界からメジャー指導者に…高まる“門戸開放”の波 「深い懐」の根底にあるもの【マイ・メジャー・ノート】第11回

「深い懐」を示す、空の英雄リンドバーグのエピソード

 米球界に押し寄せる門戸開放の激浪――。今年1月には、ヤンキース傘下のマイナー1Aで初の女性監督が誕生している。この現実が「深い懐」の輪郭を露わにする。さて、“深み”であるが、確たる事象のないその奥行きを探るための打開の緒が、日米軍の戦史に刻まれた1ページにあった。

 旧日本陸軍川口少将と空の英雄リンドバーグのエピソードである。

 激戦地ガダルカナル島の決戦が頂点に達したころ、前線指揮官の川口清健少将は、圧倒的な兵力の差から側面からの迂回作戦の実行を上層部に進言。しかし、総攻撃開始直前に罷免される。理由は「軍の必勝信念に水を差し空気を乱した」だった。正面攻撃に固執した第2師団による総攻撃は無残な失敗に終わり、戦史研究家の多くが「絶望的抗戦」として日本が敗戦に向かう分岐点に位置付けている。

 時を同じくして、アメリカ軍にはこんな逸話が生まれていた。

 大西洋単独無着陸飛行の成功で名を馳せたチャールズ・リンドバーグは、その自信を胸に、勃発した太平洋戦争で自国戦闘機の航続距離を20%伸ばす機体の改良案を軍指導部に提出し、戦闘機の画期的な長距離航法や離陸法を実証。懐疑的だった関係者たちを沈黙させた。忘れずに付言すれば、リンドバーグの提言には、時のフランクリン・ルーズベルト大統領までもが耳を傾けたという。

米国は、過ちや修正の可能性が常に残される許容社会

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