抱いた「ドラ2の悔しさ」 西武の頭脳派・佐藤隼輔が向き合う“ダメだった自分”

西武・佐藤隼輔【写真:荒川祐史】
西武・佐藤隼輔【写真:荒川祐史】

1年目は12試合で3勝4敗、防御率4.60「夏以降は戦力になれず」

 頭脳派左腕は、冷静に現実を直視する。2021年ドラフト2位で西武に入団した佐藤隼輔投手は今季、12試合に登板し3勝4敗、防御率4.60だった。「1年間を通して活躍する」という目標を掲げてルーキーイヤーに臨むも、1軍には定着できず。「夏以降は戦力になれなかった。そういった意味では悔しいシーズンになりました」と振り返る。

 宮城・仙台高では、2年夏からエースとして活躍。甲子園出場は叶わなかったが、周囲から注目を集める存在だった。しかし、プロ志望届は提出せず、筑波大に進学。「やるからには1番を目指したい」と、ドラフト1位での4年後のプロ入りを決意した。

「高校で甲子園に行けたわけではないし、大きな結果も出していなかったので、自信をもってプロ志望届を提出することができませんでした。プロは悩んだ状態で行って活躍できるような世界じゃない。大学で自信をつけてプロに行こうと思いました。自分はやらされる環境より、筑波大の自分で考えながら練習をするスタイルが合っていたので、その練習環境に惹かれて進学を決めました」

 筑波大では1年秋からリーグ戦に出場。2年時には日米大学野球の日本代表にも選出され、5試合に登板してチームの優勝に貢献した。「2年生で大学のトップレベルの選手たちと共にプレーすることができ、結果も良かったので自信になりました」と話す。4年時には自己最速の152キロをマーク。満を持して臨んだ昨年のドラフトで、西武から2位指名を受けた。

「大学は学生主体のチームで、トレーニングも『この動きがどういう風に繋がっているか』と自分で考えながら取り組むことができ、充実した4年間になりました。基礎体力も向上し、体の使い方が上手くなったこともあり、球速が伸びました。ドラフトでは、1位ではなく悔しい気持ちはありましたが、順位は関係なく頑張ろうと思いました」

卒論テーマは「投球能力向上に関する事例的研究」

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