松田宣浩に「絶対打てなくなるよ」 自信持って“ダメ出し”…常識指導に反対したワケ

巨人に入団した松田宣浩【写真:藤浦一都】
巨人に入団した松田宣浩【写真:藤浦一都】

藤井康雄氏は「4スタンス理論」を学び、それぞれに合った体の使い方を伝えた

 阪急・オリックスで活躍した藤井康雄氏は2002年に現役を引退した。通算282本塁打を放ったスラッガーは指導者の道に進んだが、なかなか結果を残せなかった。自分がプレーするのと、人に教えるのは同じようにはいかなかった。「何か勉強しなければ……」。そんな時「4スタンス理論」に出会った。人にはそれぞれに合った体の使い方が4種類あるという理論で、野球の指導法にもタイプに合わせたものがあると知り、そこから変わったという。

 2003年から4年間、オリックスでコーチを務めた後、藤井氏はスカウトに配置転換となった。指導者として結果を出せなかったからだと思った。でも、まだ何かできることがあるはず。何かないか……。そう考えていたときに「スポーツ新聞の広告のところに『キミは松井か、イチローか』という本が出ていたんです」。早速、買って読んでみた。イチローは松井のフォームで活躍できたか、逆に松井はイチローのフォームで活躍できたか。「4スタンス理論」で示されていた中身に興味を持った。

「これってありだなと思いました」。著者の廣戸聡一氏(レッシュ・プロジェクト代表、スポーツ整体「廣戸道場」主宰)に「一度お会いできますか」と連絡を取った。「面識も何もありません。自分で飛び込んでいきました」。実際に話を聞くと、さらに「なるほど」と思うことばかりだったという。立っている時のバランスをとる足裏のポイントによって「A1」「A2」「B1」「B2」の4タイプに分類され、タイプ別に指導方法が違うことがわかり、自分がこれまでの経験したこととつながったからだ。

「だから僕はこうなったんですね。イチローはこうなったんですね。あのコーチの言うことは理解できなかったけど、別のコーチの言うことが僕に合っていたのはそういうことだったんですね……」。まさに納得いくことばかりで、勉強を重ね、2009年にはオリックス2軍コーチに復帰。当時、悩んでいた岡田貴弘(T-岡田)を指導した。「あれだけの素質を持ちながら、2軍でも結果を出していなかったが、見れば、B2タイプなのに、B1タイプの動きをしていたんですよ」。

T-岡田は「回転したら駄目。後ろから移動してあげる感じ」

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