長打重視なら「足をすくわれる恐れ」 ”走力特化型”の侍J打線を五輪元守護神が提唱

阪神・近本光司、ロッテ・高部瑛斗、西武・源田壮亮(左から)【写真:荒川祐史】
阪神・近本光司、ロッテ・高部瑛斗、西武・源田壮亮(左から)【写真:荒川祐史】

2022年に44盗塁でタイトル獲得の高部を「入れると面白いと思いました」

 2023年の球界はまず、3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ向けて徐々に盛り上がっていくはず。侍ジャパンの最終メンバーは未発表だが、評論家諸氏は現時点でどんなベストスタメンを思い描いているだろうか。現役時代にロッテなどで主に抑えとして活躍し、日米通算234セーブをマーク、2004年アテネ五輪では日本代表の銅メダル獲得に貢献した小林雅英氏に聞く。

 小林氏が考えるベストスタメンは、走力に特化している印象だ。「WBCではMLB公式球に近い、飛ばないボールが使用されることもあって、長打を中心に考えると足をすくわれる恐れがあると思います。そこで足を使える選手をそろえました。これなら守備でも、いい動きが期待できます」とうなずく。「外国の投手は総じて、日本の投手に比べるとクイックが得意でない。盗塁、ランエンドヒット、ヒットエンドランなど足を使った攻撃で、イライラしてもらいたい」と付け加えた。

「1番・中堅」に阪神・近本光司、「9番・遊撃」に西武・源田壮亮。そして「8番・左翼」には、ロッテの後輩にあたる高部瑛斗を“抜擢”した。高部は3年目の2022年にレギュラーに定着しブレークすると、シーズン44盗塁でタイトルを獲得。外野手としてゴールデン・グラブ賞も受賞した。「国際大会の経験値は全くなく、NPBでも実質1年間だけの実績ですが、12球団の外野の顔ぶれを見たところ、彼を入れると面白いと思いました」と説明する。「いつまでも柳田(ソフトバンク)、秋山(広島)らに頼るのではなく、フレッシュな選手に経験を積ませていくことも、侍ジャパンの将来を考えると非常に大切ではないでしょうか」とも言う。

「3番・捕手」に、西武からオリックスへFA移籍した森友哉を置くのも特徴的である。「森は、やりがいを与えられると物凄く頑張る選手ではないかという気がします」と評し、「僕がロッテのコーチとして対戦していた頃(2015~18年)は、まだまだ若手でやんちゃな印象でしたが、悔しい思いも含めて試合経験を重ね、だいぶ大人になって責任感も出てきていると思います。3番に置けば、意気に感じて力を発揮できるのではないでしょうか」と語る。

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