わずか40%の力しか出せなかった甲子園 高松商・大室亮満が省みる“イチローの教え”

選抜では昨夏の悔しさを晴らす【写真:喜岡桜】
選抜では昨夏の悔しさを晴らす【写真:喜岡桜】

香川県内で唯一、甲子園のマウンドを経験している2年生

 新チームのエースとして挑んだ2022年の秋季香川大会は、“県内で唯一、甲子園のマウンドに立った2年生”であることを自信へ変えた。四国大会では明徳義塾と鳴門に2戦連続で完投勝利し、鬼門を突破しての準優勝。4年ぶりの選抜出場を確実にしている。

 目標にしている前エース・渡辺和大も背中を押す。「渡辺さんも2年の夏に(甲子園で)投げて、納得のいくピッチングができなかったみたいです。でも渡辺さんは1年間であれだけ成長してチームを(甲子園8強まで)引っ張っていくピッチャーになっていったので、自分も成長できるように取り組んでいます。渡辺さんにも言われました。『甲子園を経験している分、いろいろな経験が出来ている分、自信を持つことができる』と思います」。

 全国へ視界を広げると、甲子園を経験した2年生投手は複数人いる。「横浜高のエース(杉山遙希)だったり、大阪桐蔭のエース(前田悠伍)だったり、相手を圧倒出来る力があるなって思いました。自分にはその力がない」と現状を見極めつつ、この冬は「スピードや変化球の切れ」などの技術力向上と身体づくりに取り組んでいる。

“イチ流”+αの成長を遂げ、今度こそ大舞台でベストを尽くす。

○喜岡桜(きおか・さくら)1991年生まれ、香川県出身。北九州市立大在学中の2014年からフリーランスとして執筆活動を開始。主に高校野球や独立リーグなどを取材し、雑誌やWebへ寄稿している。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY