「外野手出身に名監督はいない」は本当か…直近15年のパ・リーグを検証してみた

5度のAクラス入りを果たし、育成にも手腕を発揮した外野手出身の2監督

 ここからは、外野手出身の監督として結果を残した人物を掘り下げていきたい。秋山氏は2008年に最下位に沈んだソフトバンクの監督に就任し、翌年には3位、2年後にはリーグ優勝と、短期間でチームを立て直した。その後も積極的な補強によってチーム力を高め、在任期間中に3度のリーグ優勝、2度の日本一を達成してみせた。

 また、秋山監督は補強だけに甘んじることなく、柳田悠岐外野手、松田宣浩内野手、今宮健太内野手、中村晃外野手といった、生え抜きの主力選手たちの育成にも尽力。コアメンバーの形成に成功し、黄金時代につながる礎を築いたという点でも、その功績は大きいといえよう。

 日本ハムで栗山氏は2012年から2021年まで10年間という、近年のNPBでは類を見ないレベルの長期政権を築いた。育成面での手腕は特筆もので、大谷翔平投手、有原航平投手、西川遥輝外野手、近藤健介外野手、中島卓也内野手と多くの選手たちを見出し、ブレークへと導いてきた。

 育成における成果のみならず、5度のAクラス、2度のリーグ優勝、日本一1回と、チーム成績の面でも長期間にわたって手腕を発揮。在任期間中に主力選手の移籍を幾度となく経験し、FAでの補強も限定的という状況ながら、現有戦力を巧みに活かして結果を残した。

 もちろん、リーグ優勝やAクラス入りを果たせるか否かは、監督の手腕のみならず、当時のチームの戦力などの要素にも左右される部分がある。しかし、現在のパ・リーグにおいて、外野手出身の監督が一定以上の成果を上げていることも確かだ。

外野手出身の1000勝監督は1人だけだが…今後は変化の可能性

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