鉄拳制裁の代わりに書きなぐった「このボケ!」 不満を吐き出す“怒りの手帳”
就任2年目に監督として変化「1年目は自分が表に出すぎていた」
親しい間柄で、日本代表を率いた森保一監督も試合中、ノートにその時の心情などを書き込んでいることが有名だが、野村氏はこの共通点について「それは偶然だろうね」とあっさり。
「そういう話を森保としたかどうかも覚えていないし、森保が何を書いているのかもわからないしね」とも付け加えたが、野村氏が、この怒りのはけ口のおかげで、何度も落ち着けたのは紛れもない事実。監督生活の証しでもある数々の手帳は今後にも生かせる貴重な財産ともいえそうだ。
実際、監督としても変化が起きていた。「1年目はマネージングを勘違いしてコーチの人たちよりも自分が表に出すぎていたけど、2年目からは担当コーチにもっと動いてもらうにはどうしたらいいかを考えるようになった。選手に関しても体調管理や本質を観察することに努めた……」。
チームも3年目くらいからだんだん変わってきた。選手も若手が伸びてきた。とりわけ2011年ドラフト2位の菊池涼介の能力には驚かされたという。
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)