負い目や遺恨を残すFAの人的補償制度 “モノ扱い”の名称は「改善の余地あり」

日本ハムに移籍した田中正義【写真:藤浦一都】
日本ハムに移籍した田中正義【写真:藤浦一都】

斉藤和巳コーチも訴え「ええ加減どうにかならんか?」

 日本ハムはソフトバンクへFA移籍した近藤健介外野手の人的補償として田中正義投手を獲得した。田中が日本ハムへ移籍することが伝えられる中、ソフトバンクの斉藤和巳投手コーチは「『人的補償』って名称は……ええ加減どうにかならんか? この制度自体も……」とツイート。名称や制度の変更を訴えた。

「人的補償」とはFAによる移籍元球団が戦力低下の補償として、移籍先球団から選手を獲得できる制度。人的補償という用語はFA制度が始まった1993年から使われていたが、以前から疑問視する声があった。実際に斉藤コーチのツイッターにも「いいイメージがないですね プラスになる名前がいいですね」「代替選手? 確かに変えたい名称なんですがこれと言った名称も思い浮かばず」「『FA交換要員』で良いのでは?」「『人的補償』って……選手は物ではないんだから」「人的補償って嫌な言葉ですねぇ」などとアイデアも寄せられている。

 FA制度の改革についてはどうか。そもそもFA権は選手個人の権利に関わらず、移籍先球団がその補償をするというのはナンセンスとの声もある。メジャーでは戦力均衡策としてチーム総年俸が一定額を超えるとペナルティを課徴金(贅沢税)が課される。また、FA移籍選手に代わってドラフト指名権の譲渡なら、移籍した選手の負い目や妙な遺恨を残さずに制度改革できるか。

 斉藤コーチのツイートには「名称はともかく制度としては必要。そうで無ければ、金持ち球団の思うツボ」「贅沢税とかドラフト優先権とか自動FAなどメジャーを参考にいろんな改革してもいい気はします」「やはりこれは改善する余地はありますね」などと制度改革を求める声も。今こそFA制度を見直す時が来ていると言って良さそうだ。

(Full-Count編集部)

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