故障申告もコーチは無視「いいから行け」 言われるがまま…今ではあり得ない初登板

高卒2年目でブレーク、4月から5月にかけ30イニング連続無失点

 そして高卒2年目にブレークした。「今度は自主トレから少しずつ肩を作っていった。目立たなければいけないと思っていたしね」。宮崎・串間でのキャンプも順調だった。オープン戦もリリーフでほとんど抑えた。開幕当初は中継ぎ。4月11日のヤクルト戦(ナゴヤ球場)に1-1の同点の8回表1死から3番手で登板し、無失点。その裏に味方打線が3点を勝ち越して9回もマウンドに上がり、ゼロに封じてプロ初勝利をマークした。

 翌12日の同カードでは1点リードの8回から登板し、2回無失点でプロ初セーブを記録。それまでの抑え役だった鈴木孝政投手の肘の状態があまり芳しくないこともあり、小松氏が一気にリリーフエースに“昇格”し、そのスピードボールが注目を集めた。5月は14試合に登板して1勝1敗5セーブ、26回1/3を投げて失点はわずか1、初の月間MVPにも輝いた。4月28日から5月30日までは30イニング連続無失点でもあった。

 まさにインパクト大の活躍だったわけだが、その月は忘れられない対決もあった。5月31日の巨人戦(後楽園)で月間唯一の失点を喫したシーン。相手は少年時代からの憧れの人・王貞治内野手だった。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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