近年の日本人打者は「勝負にならなかった」 それでも…吉田正尚、119億円契約の“勝算”
吉田正尚を獲得した直後のボガーツ流出…「球界に衝撃を与えた」
念入りな情報収集は「スズキ」から学んでいた。カブスとジェット・ホイヤー球団編成本部長は2021年オフに鈴木誠也外野手を獲得する際、不確実性に直面したのだという。NPBからMLBに移籍する選手につきものの「90マイル中盤から後半の速球に対応できるのか?」「どのような欠点があるのか?」という点だった。カブスは昨オフのロックアウト期間を利用して、収集可能なデータを元に問題点を深堀りし獲得を決めた。「ヨシダ」は、その翌年に“徹底解剖”したレッドソックスから声がかかった。
レッドソックスは吉田と12月7日(日本時間8日)に5年9000万ドル(約118億9200万円)で契約した。さらに吉田の古巣であるオリックスには1537万5000ドル(約20億3200万ドル)のポスティング費用を支払った。その数時間後、レッドソックスからFAになっていたザンダー・ボガーツ内野手はパドレスと11年2億8000万ドル(約369億9800万円)で契約。「どちらの移籍も球界に衝撃を与えた」と記事では伝えている。
かつて、似たような移籍があった。2000年にマリナーズからFAになっていたアレックス・ロドリゲス内野手が10年2億5200万ドル(約332億9800万円)でレンジャーズに移籍。その直後、マリナーズはイチローをポスティングで3年1400万ドル(約18億5000万円)で獲得した。オリックスのコーチだったこともあるマリナーズのジム・コルボーン環太平洋スカウト部長は「イチローの活躍を確信して獲得した」と胸を張っていた。舞台裏はそっくり。吉田にはイチロー級の数字まで期待されている。
(Full-Count編集部)