オリに開いた吉田正尚の“穴”を埋める意外な候補 専門家が期待「坂本勇人のように」

オリックス・紅林弘太郎(左)と太田椋【写真:宮脇広久】
オリックス・紅林弘太郎(左)と太田椋【写真:宮脇広久】

西武からFA移籍の森、新外国人シュウィンデルへの高い期待

 パ・リーグ3連覇を目指すオリックスにとって最大の不安材料と言えば、主砲・吉田正尚外野手(現レッドソックス)が抜けた穴だ。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「1人の力ではとても埋められない」とした上で、それでも「チームの打力を上げるためのポイントがいくつかあって、それを1つ1つクリアしていけば、3連覇は近づくと思う」と指摘。“ポスト正尚”時代の成功に関わる鍵を、5つ挙げた。

 昨年の吉田正はリーグ2位の打率.335で、3年連続首位打者こそ逃したものの、出塁率は.447で2年連続のトップ。88打点もリーグ2位、21本塁打も同4位で、その存在感はあまりにも大きかった。

 今年の新戦力として誰もがまず思い浮かべるのは、西武からFA移籍した森友哉捕手だろう。2019年には打率.329で首位打者に輝いたこともある、NPB随一の“打てる捕手”である。野口氏は「守備優先の捕手が“打てる”というだけで、チーム編成的に大きなプラス。森は昨年こそ故障もあって振るわなかった(打率.251、8本塁打、38打点)けれど、3割前後の打率を計算できます」とうなずく。

 ただし、新たな顔ぶれの投手陣をリードする移籍1年目には、捕手として不安も付きまとう。野口氏は「リーグ2連覇中のオリックスに入ったからには、『俺が入った年に優勝できなかったらどうしよう』という重圧ものしかかる。本来は不動の3番を任せたいところですが、移籍1年目に限っては、もう少しハードルを下げてあげた方がいいかもしれない」と“捕手目線”で森を思いやった。

 一方、昨年は外国人野手が機能しなかったオリックスだけに、新外国人のフランク・シュウィンデル内野手(前カブス)が“当たり”なら、それだけで得点力は上がる。2021年にメジャーでシーズン14本塁打を放った右打ちの4番候補で、10日に春季キャンプに合流したばかりだが、野口氏は「逆方向にも打てる、日本の野球に比較的順応しやすそうなタイプ」と見ている。

「この2人が実力を発揮すれば、この先10年は二遊間に困らない

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