鈴木誠也離脱で“大穴”も…牧原加入が生むメリット 栗山監督が重視した“作戦の幅”

侍ジャパン・栗山英樹監督【写真:荒川祐史】
侍ジャパン・栗山英樹監督【写真:荒川祐史】

中堅だけでなく、源田のバックアップとしての役割も

 一つは中堅の経験値とレベルの高さだ。今回の侍ジャパンでは、ラーズ・ヌートバー外野手(カージナルス)、近藤健介外野手(ソフトバンク)が中堅の候補に挙がっていたが、どちらも昨年は右翼、左翼メーンでの起用だった。牧原は2月25日、26日の侍ジャパンとの壮行試合でも中堅で好守を見せている。レギュラーはヌートバー、近藤、吉田正尚外野手(レッドソックス)が想定されているが、バックアップにいると安心感も大きい。

 もう一つは、遊撃の“サブ”としての役割である。中野拓夢内野手(阪神)が今季から、二塁へコンバート。侍ジャパンでは遊撃をこなしているが、25日の壮行試合ではファンブルをするなどミスも出ていた。牧原は昨季遊撃でも5試合に先発出場。源田壮亮内野手(西武)1人に頼らざるを得ない状況もなくなった。

 そして、牧原がいることによって、周東佑京外野手(ソフトバンク)を自由に使えるという面も。元々は周東が内外野の守備固め候補。牧原の加入で、その後の守備固めを気にせず、早い段階から周東を代走として使えるようになる。

 球界随一のユーティリティプレーヤー。鈴木が抜けた大きな穴は埋まらないが、埋めようとする必要もない。3大会ぶりの世界一へ、“ジョーカー”が起爆剤になる可能性は十分に秘めている。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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