言葉で選手に恥をかかせない“操縦術” 人柄で侍J束ねた栗山英樹監督の「凄み」
準決勝で村上のサヨナラ打引き出した言葉の“絶妙なタイミング”
練習中に選手1人1人と目線を合わせ、頻繁に会話を交わしていた姿が印象的で、故障で出場を辞退した鈴木誠也外野手(カブス)、途中離脱を余儀なくされた栗林良吏投手(広島)に対するケアにも怠りはなかった。
準決勝のメキシコ戦では、1点ビハインドの9回無死一、二塁で、それまで不振だった村上宗隆内野手(ヤクルト)に、城石憲之内野守備・走塁兼作戦コーチ(ヤクルト2軍チーフ兼守備コーチ)を通じて「思い切っていってこい」との言葉を伝え、逆転サヨナラ二塁打を引き出した。城石コーチは「監督の言葉を伝えた瞬間の、ムネ(村上)のスイッチが入った表情を、僕は一生忘れない」と述懐したが、選手にかける言葉の選択、タイミングが絶妙だった。
選手の技術面について論評を求めると、「僕ごときが語れるレベルではない」と苦笑しながら首を横に振るのが常。日本ハム監督時代にルーキーイヤーから5年間指導した大谷に対しても、“恩師面”はしなかった。選手にも、侍ジャパンのスタッフにも、報道陣に対しても、物腰が柔らかだった。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
