延長の采配に「勇気が持てなかった」 手痛い送球ミスも…仙台育英監督が語る別の課題
「課題は明確」指揮官の視線は、すでに夏へ
視線の先はもう次の段階だ。「課題は明確なんです。過密日程になった時に3人目のピッチャーの存在ということと、ピッチャーの打力がないことをもう少しアプローチしないと……。それと激烈な選手内競争を勝ち上がったけど、代打の選手がもうひとつ、ふたつくらい成長しないといけない」。その上で、8回途中から4番手でリリーフした田中に関して「いい経験をしたんじゃないですかね。(他の3投手に)すごく近づいたし、夏に今日みたいな試合の先発は田中になっているかもしれませんね」と期待の言葉も口にした。
敗戦直後でさえ、選手を前向きに導こうとするのも須江流なのだろう。「夏の大会を迎える時にまず県大会です。東北高校も強いですから。まず甲子園に帰ってくるために、宮城県を勝つ。初戦を迎える時に“あとはやるだけ”と思えるような日々を過ごせたら、もしかしたら、夏の2連覇という可能性が生まれてくるんじゃないかと思いますね」。
負けて悔しいのは当たり前。問題はそれを次に向かってどう糧にするか。「ウチにはまだまだ眠っている選手がいるし、全国制覇を成し遂げた仙台育英を見た1年生も入ってきます」と須江監督は言い、夏2連覇を前提に「もう1回来年(の春)同じようなチャレンジができたら楽しいですね」と、このままでは終わらない。仙台育英の巻き返しは報徳学園に負けた瞬間から、もう始まっていた。
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)