時代に「合わせていくしかない」 使えなくなった“広島弁”…寮長が悩んだ言葉遣い

広島・大野寮の寮長を務める道原裕幸氏【写真:山口真司】
広島・大野寮の寮長を務める道原裕幸氏【写真:山口真司】

道原裕幸氏が指導した石原慶幸氏が今季から広島バッテリーコーチに

 広島の大野寮(廿日市市)で寮長を務める道原裕幸氏は現役時代、1975年の広島初優勝に貢献するなど捕手として活躍した。1984年限りで現役引退してからはバッテリーコーチも務めており、教え子も多い。今季広島の1軍バッテリーコーチになった石原慶幸氏もそうだ。「成長したのは石原本人が頑張ったからですよ」と言いながらも、かつての自分を見るように新コーチにも熱いまなざしを送っている。

 石原コーチは2001年ドラフト4位入団で東北福祉大出身。芝浦工大から広島入りした道原氏と同様に、大卒捕手への首脳陣の期待は高かった。1年目は5試合に終わったが、2年目は116試合に出場。「(監督の)山本浩二さんが『どうにかして石原をレギュラーのキャッチャーにするから』って言っておられましたからね」と当時1軍バッテリーコーチだった道原氏は言う。マンツーマンで指導し、試合になると、自分の分身がプレーしているような気分にもなったという。

「僕も一緒にキャッチャーをやっているようなもんでしたよ。盗塁してくるから、ちょっと頭に入れとけよとかね。石原には(リードに)迷ったらベンチのこっちを見ればいい、絶対知らん顔はしないから、絶対見ているから、絶対ジェスチャーするからって言ってましたよ」。実際、そんなシーンが何度もあったそうだ。「これは僕が選手の時もそうでしたから。ベンチを見てましたから。そしたら(監督の)古葉(竹識)さんがサインを出してくれましたからね」。

 自身の経験も踏まえての指導。石原氏にとっては大きなプラスになったことだろう。「彼は体も強かったですし、肩もよかったですからね」。今年、その石原氏がバッテリーコーチとして坂倉将吾捕手ら次の世代の捕手を指導している姿を見れば、やはり感慨深いものもある。「コーチは大変だと思いますけどね。うまくいけば、僕もうれしいですよ」。

 同じく教え子である元広島捕手の西山秀二氏は現在、中日の1軍バッテリーコーチ。「何年か前に西山が解説者をやっていた時、しゃべっているのを聞いていたら、僕らが教えていたことを言っていたんですよ。昔、ちゃんと聞いてくれていたんだなって思ってうれしかったですね。西山もオールスターにも出たし、一流のキャッチャーになりました。コーチでも頑張ってほしいですよね」。

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