前田健太が描く「大きな目標」 右肘手術から復活の軌跡…35歳の“未来予想図”

リハビリ生活は「いろんな人にサポートしてもらった」

 序盤から一転、高めの直球とシンカーを効果的に配したバスケスは最速148キロの速球を黒いミットの芯で収め乾いた音を立て前田の士気を高めた。打者のタイミングをもっとも効率よく狂わせるリードをした相棒は「これからチームの勝利に大貢献してくれると受けていて感じた」と今後に期待を寄せた。

 ドジャースからツインズに移籍した2020年の9月終わりだった。

 前田は「先発投手にとって200勝は難しい数字になっている時代だからこそ達成したい」と野球人生の大きな目標を「名球会入り」と公言している。この日の黒星でメジャー通算60勝目はならず、日米通算156勝のまま。35歳の誕生日までちょうど1週間。1年半のブランクで道は険しくなるが、孤独なリハビリを乗り越えてカムバックしたことでこの目標へのサバイバルが始まる。

「この1年半、リハビリに時間を費やしてきたので、家族やリハビリを担当してくれたチームそして外部のトレーナーなど、いろんな人にサポートしてもらいながら、きょうのマウンドに戻って来ることができた。僕一人の力ではここには戻って来ることはできなかった。今後もその気持ちを忘れずに結果でしっかりと恩返しできるように頑張っていきたいなと思います」

 会見を終えた前田は、通路の向こう側で見守っていた早穂夫人と2人の子どもに歩み寄った。復帰への強靭な意思を支え続けた家族がひとつになった。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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