侍ジャパンがモデル…台湾が描く強化計画 WBC1次R敗退で危機感、1シーズン制実施へ

WBCで見えた課題…元阪神の中信・林威助監は投手の育成を掲げる

 WBCで台湾代表は1次ラウンドで敗退した。4戦目のキューバ戦は勝てばプールAを1位で準々決勝進出だったが、1-7で敗戦。この瞬間、敗退も決まった。台湾代表を率いた統一の林岳平監督は「プロ、アマ問わず、台湾球界全体で、投手力をいかにして引き上げることができるか」と課題をあげた。チーム内で競争意識をあおり、ファーム育成重視で一昨年、昨年と台湾プロ野球で連覇を果たした中信兄弟の林威助監督は短期決戦における投手の安定感を挙げた。

 林威助監督はさらに「投手の育成は難しい。日本は野球部がある高校が4000校弱あるのに対して、台湾は200校弱(本格的な野球部となると約50校)。台湾の選手層は決して厚いとはいえない。それを言っても仕方ないので、我々は普段から選手たちには一定のレベルを求めていく。台湾で満足してしまうのではなく、国際大会で活躍できるような投手を育てていきたい」と語る。そのうえで「勝つことと、多くの選手をナショナルチームに送り込むことが同時にできればベストだ」と期待を示した。

 現状は、各チームの外国人(1軍3枠)の大部分が先発型投手で、野手は中信の捕手、フランシスコ・ペーニャひとり。開幕から5試合目までの先発10人中、台湾人投手はWBC代表の黄子鵬のみだった。先発の外国人投手依存は顕著といえ、WBCのオランダ戦でロングリリーフとして好投した呉哲源(中信)のような台湾人の先発型投手がさらに増えることを期待したい。

 台湾プロ野球を運営するCPBLも、WBCの結果を受けて動き出している。蔡其昌・コミッショナーは、「海外リーグでプレーする台湾選手のコンディション把握、他国偵察の強化」「侍ジャパンをモデルとしたナショナルチームの常設化」「オフ期間の日韓等強豪国との壮行試合の実施」などナショナルチーム強化計画をまとめた。蔡コミッショナーはまた、1シーズン制を最短で来季から実施する可能性も示唆した。現行の前後期制は消化試合が減り、各チームにとってチケット収入面でメリットがあるが、出場選手が主力に偏り、若手を試す機会が減るデメリットもあり、ナショナルチーム強化という目的のために長期的視野を持ち、思い切った改革を行うこととなった。

 今季は全6球団でフルタイムの日本人指導者が誕生した。中信兄弟は、平野恵一1軍打撃兼野手統括コーチが今季も林威助監督を支える。楽天は古久保健二1軍ヘッドコーチ、川岸強2軍首席投手コーチに加え、真喜志康永氏が1軍総合守備走塁コーチに就任した。

 味全では高須洋介氏が2軍打撃コーチを務めている。統一には今季から「ノックの名手」玉木朋孝氏が1軍守備コーチに就任。富邦も垣内哲也氏が1軍打撃コーチ、酒井光次郎氏が2軍投手コーチに就いた。第6の球団としてリーグに参入し、今季は2軍公式戦を戦う台鋼ホークスの投手コーチには横田久則氏が就任した。彼らの手腕も注目される。

(「パ・リーグ インサイト」駒田英)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

RECOMMEND