5年目で覚醒モード…藤原恭大は何が変わった? 月間MVP受賞の2年前との変化
逆方向への安打が激増、打てる球種も増えた
月間MVPを受賞した2021年7・8月と、今季の3・4月の打撃成績を比較する。2021年7・8月は打率.348、32安打、5本塁打、5盗塁、出塁率.439。数字の面では今年の3・4月を大きく上回っている。しかし、具体的なデータを確認していくと、「変化」が浮かび上がってくる。
2つの時期における安打の打球のコースを見ると、2021年7・8月はセンターが全体の47%、ライトが38%、レフトは13%だった。5本塁打も全てライト方向だった。今年の3・4月はセンターへの安打が35%、ライトが15%、レフト方向が40%、内野安打が10%になっている。
球種別割合では、2021年7・8月に放った安打のうち、速球が56.3%。フォーク(15.6%)、スライダー(12.5%)を加えた3球種で全体の85%近くを占めた。今年の3・4月はストレートが44%、スライダーは4%、チェンジアップ・カーブという遅い変化球の割合がいずれも12%に増加。カットボールやシンカーなどに対してもそれぞれ5%ほど割合が上昇している。
藤原は4月終了時点で打率.298だったが、5月は月間打率.174と下降線をたどっている。2021年には9月4日の第2打席から9月24日の第5打席まで30打席連続無安打と深刻なスランプに陥り、10月14日からシーズン終了にかけても16打席連続無安打を記録していた。その点、今季の連続無安打は4月20日から22日の11打席が最長だ。
守備・走塁ではハイレベルなプレーを見せているだけに、打撃面で結果を出し続けることができれば、一気にスターダムを駆け上がることも夢ではない。試行錯誤を経て成長を続ける大器の大ブレークに、今季こそは大きな期待を寄せたいところだ。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)