右腕が“割り箸”の感覚…動かしたら折れそう 自暴自棄の苦悩経て復活期す育成24歳

西武・伊藤翔【写真:篠崎有理枝】
西武・伊藤翔【写真:篠崎有理枝】

2軍で5試合に登板し、防御率0.00「まずは支配下に」

 手術直後は1軍の試合をテレビで見ていたが、次第に耐えられなくなった。「野球がしたい」という気持ちになるのがつらかった。外食をしたり、買い物をしたり、なるべく外に出て気分を紛らわせ、帰宅しても野球から離れようと努めた。野球が再びできるようになるのか、不安しかなかったという。

 TJ手術を経験している與座海人投手、粟津凱士投手、齋藤大将投手らに相談した。「『俺もそうだったよ』『このトレーニングいいよ』とアドバイスしてもらいました」。それでも回復状況は人によって異なるため『このあたりから痛みが消えてきたよ』と言われても、自分はそうじゃないと不安になることもありました」。そんな時は「トレーナーさんに相談して『大丈夫、大丈夫』と言ってもらっていました」。多くの人に支えられ、歩みを進めてきた。

 今季は実戦に復帰。ここまで2軍で5試合に登板し、1勝0敗、防御率0.00。4回1/3を投げ5三振を奪っている。復活への手応えを感じられるようになり、モチベーションは高まっている。「やっと、ちょっとずつ上がってきたなという実感があります。今しっかり投げられているので、トレーナーさんには感謝しかありません」。

 2軍の本拠地「CAR3219フィールド」で試合をしていると、「ベルーナドーム」で1軍がデーゲームを行っている時はファンの声援が聞こえてくる。「もう1度、あそこで投げたいという気持ちになります。まずは背番号2桁、支配下になることを目標にしています」。

 高校卒業後、最短でたどり着いたプロの世界。だが、長い間野球ができない苦しい日々を過ごした。背番号「113」を背負う24歳右腕は再び1軍のマウンドに立つことを目指し、アピールを続けていく。

(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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