無死満塁なら「前の打者は三振しろと思った」 重圧と無縁…“切り札”のプラス思考
内田順三打撃コーチや野村謙二郎氏から学んだ“思考”
加えて2軍時代に内田順三打撃コーチに教えてもらったこともある。「内田さんに『代打やっていたら、年間安打数15本で』って言われたんです。50打数15安打で打率3割でしょ。『50回打席に立てば、フォアボールもあるから15安打を目安にしていたら、45~46打数で、打率は3割を超えるよ』ってね」
数字の目安といえば、野村謙二郎氏にも浅井氏がスタメンで出ている時にこう言われたそうだ。「『100(打席)立って、とにかく30安打を目指していけ』って。『100までいったら、リセットしてまた100まで』ってね」。これもありがたい教えだったという。
考え方ひとつで、ガラリと変わるし、変われる。右の代打の切り札・町田公二郎氏とともに、左の代打の切り札として浅井氏は力を発揮した。「自分が、このチームの中で必要とされているのがわかったら、わかったで、より責任みたいなのが出てくるじゃないですか。打てなかったら2軍に落とされると、常に危機感は、やめるまでずっと持っていましたよ」
現在、浅井氏はカープ・ベースボールクリニックコーチとして中学生への打撃指導や、女子野球普及に携わっている。必要に応じて、このような自分が学んだ知識や自身の経験も惜しみなく伝えている。
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)