DeNAの「組織・人材開発部」とは? 「勝つことは大事ですが…」邁進する“環境づくり”

欧州視察を行ったDeNAの組織・人材開発部【写真提供:住田ワタリ氏】
欧州視察を行ったDeNAの組織・人材開発部【写真提供:住田ワタリ氏】

6年前に住田ワタリ氏が加入、昨年11月から部署となり動き始めた

 横浜DeNAベイスターズには、昨年11月から「組織・人材開発部」という部署が存在する。6年前、住田ワタリ氏が人材開発コーディネーターとしてチームに加入。選手、コーチ陣、チームスタッフがより働きやすい環境や外部との接点をつくることに取り組んできた。その活動はグループとなり、昨年の新体制からついに部として動き始めた。

「チーム統括本部内でこのような部署を持つというのは、おそらく日本中のプロスポーツチームの中でも非常に珍しいのではないかと思います。勝つことは大事ですが、勝つことと同じようにそれぞれの人生が豊かになるような環境を整備していく球団の方針は、我々の独自の形かなと思います」と住田氏は説明する。

 組織・人材開発部の業務の1つは、2021年末にチームが掲げた5か年計画の「ビジョン」「ミッション」「バリュー」を組織内で体現していくこと。ビジョンで掲げた「幸せ・誇り・強さ」を全て同時に達成するために、グラウンド内外に必要なものを担う。

 住田氏は複数のプロ野球チームでトレーニングコーチやトレーニング部門を統轄するディレクターなどを歴任。現場とフロントの両方を経験することで、優勝という同じ目標がありながらもバラバラになる組織構造や人間関係を見てきた。「目標と違うことにエネルギーを注ぐのってもったいないし、フロントと現場が同じ目標に向かって共通認識を持ち、その前提を揃えていくことが大事」と考えていた。タイミングや縁もあり、DeNAでそれらを築いていくことになった。

2018年からABLチームと提携、通訳なしのオフの選手派遣は挙手制

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY