HR王も予感していた中日24歳の“覚醒” 自主トレでの衝撃「10個が一瞬で…」

中日・細川成也【写真:荒川祐史】
中日・細川成也【写真:荒川祐史】

ロマン砲が思い出す“衝撃”

 少し照れながら、杉本は“当時”を振り返る。「僕もそうかもしれないですけど……。細川も完全な荒削りタイプ。“ロマン砲”は、何試合か出続けないと本領発揮ができない。最初の1、2試合の出場でヒットを狙っていては、自分の居場所を掴めないんです」。目前の結果が欲しい気持ちも、自慢の長打力を披露したい気持ちも理解できる。

 杉本は2015年ドラフト10位でオリックスに入団。長い下積み期間を過ごした。その後、2021年に32発を放って本塁打王のタイトル、2022年は日本シリーズMVPも獲得するなど“覚醒”した経緯がある。それでも慢心はなく「僕は、今も必死ですよ。1日1本打たないと、という気持ちです。たまに細川の打撃結果を見て『夢を掴んでいるな』と思います。(1軍に)デビューした頃、2試合連続で凡退しちゃうと、次の打席がない世界で僕らは戦っているので。細川はそこをクリアして、3割打っている。そこが凄いところ」と日々、結果を残し続けている後輩を褒めた。

 細川の“覚醒”を予感した、衝撃の出来事もあった。1月中旬の自主トレ期間中、杉本は仲間のためにサーターアンダギーを差し入れした。「僕が、ランチ特打が始まる前に買い出しに行って、ロッカー室に置いていたんです。そしたら……。僕が打撃練習を終えたら、すでに1袋全部が無くなっていたんです。10個入りが、一瞬で……細川の仕業ですよ(笑)」と腹を抱える。

 杉本は1月にダイエットを敢行していた。「ランチの白米を1/3ぐらい、細川に食べてもらっていたんです。あいつ、それでも足りない感じでした(笑)。彼の今年の活躍は、僕の『食事パワー』もあると思いますね。彼の力+僕の1/3が乗り移って“1+1/3”になっていると思います」。ロマン砲の“おかわり”を、こっそり楽しむ3日間が始まる。

【集合写真】“現役ドラフト戦士”を覚醒に導いた特訓、楽天浅村、ラオウ杉本ら

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