かつての新人王が議員に転身 63歳で新たな挑戦…政治に生かす“カープ魂”

広島・松田元(はじめ)オーナー【写真:橋本健吾】
広島・松田元(はじめ)オーナー【写真:橋本健吾】

松田元オーナーから「狭いところほど、気を付けないといかんよ」

「当選後に(広島の)松田(元)オーナーに電話しました。『狭いところほど、気を付けないといかんよ』って言っていただきました」という。川端氏は鳴門高、法政大、東芝を経て1983年ドラフト1位でカープに入団。2年目の1985年に新人王に輝いた。中継ぎ中心の現役生活だったが、チームにはなくてはならない存在として活躍。1992年シーズン限りで引退し、2005年まで投手コーチ、2006年から編成部入りし、2008年から2017年まで編成グループ長を務めた。その間、松田オーナーには多くのことを教わった。

「オーナーはご自身で野球をすごく勉強されているんです。だから、いろんなことを決断できるのだと思います。ドラフト候補も全選手のビデオを見ておられる。スカウトが気付かないような牽制の癖とかを見抜かれることもあったんですよ。すごいですよ。だからスカウトたちは気が抜けないんです」。現在、川端氏は政治について猛勉強中でもある。それこそ、松田オーナーを見習い、あらゆる角度から知識を吸収した上で、松茂町のためにできることを模索している。

 川端氏はこう言う。「開き直りがうまい選手というのはメンタルがガラッと変わって、マウンドでも強くなる。でも、これが難しい。打てるもんなら、打ってみろっていうのは逆に変な開き直り。どっかに力みが入って真ん中に入ってカポーンってやられるケースが多い。冷静に開き直ること。キャッチャーのサインの意味もわかった上で、これで打たれてもしょうがないなというような開き直り。これをつかんだら、今のプロ野球の2軍選手でもどんどん出てくるんじゃないかと思う」。

 これは現役時代に投手コーチだった安仁屋宗八氏に教えてもらったことであり、名捕手の達川光男氏にも言われたことでもある。川端氏はこのように、いろんな方のお世話になり、勉強させてもらって、今があると思っている。松茂町を都会に負けない地域にするのが大きな夢。力まずに、ベストを尽くすつもりでいる。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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