W杯制覇へ…侍U-12井端監督が子どもたちに求めた“世界基準” 打者に必要な要素は

侍ジャパンU-12代表で指揮を執る井端弘和監督【写真:片倉尚文】
侍ジャパンU-12代表で指揮を執る井端弘和監督【写真:片倉尚文】

救援投手は必ずベンチでスタンバイ…野手からの登板は「させません」

「第7回 WBSC U-12ベースボールワールドカップ」(7月28日~8月6日、台湾・台南市)に出場する侍ジャパンU-12代表の最終トライアウトが17日に都内で実施され、動画によるトライアウトを通過した41選手からメンバー18選手の絞り込みがなされた。2年連続で指揮を執る井端弘和監督(元中日、巨人)は7位に終わった昨年大会の反省を踏まえ、野手を試合途中で投手として起用しない方針を明かした。

 初のU-12W杯制覇へ、井端監督は選手起用で新たな方針を定めた。投手起用では守備に就いている選手をマウンドに上げない。登板予定の投手は野手として出場させず、ベンチでスタンバイさせるという。「去年は途中から投手を務める選手もいましたが、台湾の暑さもありバテてしまっていた」と振り返る。

 昨年は投手兼遊撃手といった選手も多かったというが、今年は固定化を図る。「特に二遊間や捕手。軸にになるポジションを固めたい」と語る。投手兼外野手はいるが、外野で出場した試合では登板させない。きっちりと方針を定めて起用し、選手の負担を少なくする考えだ。

 打撃では昨年、相手チームの投手が投げ込んでくる120キロ超の速球に対応できずに苦しんだ。優勝した米国の投手は125キロを投げていたといい、この日のフリー打撃では、打者は110キロ台後半の球を打った。「最低でもこれくらいの球は打ってくださいよ、というのが狙い。しっかり弾き返せる選手が選考の対象になりました」と語る。

 投手陣については吉見一起コーチ(元中日)は「質のいい力強い球を投げる投手が多い印象」と評価。選ぶ上での大前提として「大体ストライクゾーンに来ること」とし、「速いだけではなく外国選手のパワーに負けない球、質を重視しました」と語る。

 昨年はオープニングラウンドで1勝3敗とつまずき、上位6チームによるスーパーラウンドに進めなかった。周到に準備を進める今年は「昨年のような失敗はしないと思う」と井端監督は力を込める。初優勝を狙う今大会、躍進が期待できそうだ。

(片倉尚文 / Naofumi Katakura)

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