“急失速”の阪神は巻き返せるか カギ握る佐藤輝明の復活…2軍で克服すべき課題

打たれることで配球を覚えたバウアーは「日本の野球に慣れてきた」

 首位に立ったDeNAはバランスが取れている。打線は佐野恵太外野手、牧秀悟内野手、宮崎敏郎内野手の3選手を軸に、どこからでも得点できる。投手陣も今永昇太、東克樹らの先発、入江大生、伊勢大夢らのリリーフ、抑えの山崎康晃と役割ができ上がっている。「打つ方では関根(大気外野手)の成長が大きい。足が使えて今までのDeNAにいなかったタイプで、非常に機能しています。山崎は危なっかしいが、中継ぎ以降は強力。負け試合が少なくなるのでは」と見通す。

 サイ・ヤング賞右腕のトレバー・バウアー投手は、交流戦3戦3勝と実力を発揮してきた。当初は一発を浴びる場面が多かったものの、14日の日本ハム戦(横浜)では来日初の中4日で完投。「日本に慣れてきたと感じます。最初は捕手のサインに首を振って打たれていたこともあった。本人も『まずいな。日本の野球もやるな』と配球を考えたのでしょう。対応ができてきました」。シーズン終盤のフル回転に向けて、めどが立った形だ。

 新井貴浩新監督の広島も健闘している。「秋山(翔吾外野手)が今年は調子が良く、打線はいい。先発も揃ってます」。このまま上位に食らい付くには「リリーフの栗林(良吏)の復活が必要」と断言する。

 巨人は、もがき苦しんだ序盤から巻き返してきた。戸郷翔征投手が完全に先発の柱として引っ張り、岡本和真内野手もさすがは主砲の働きを見せている。原辰徳監督は今季、高卒3年目で長身2メートルの秋広優人内野手を抜てき。新星は今やクリーンアップにも座る。

「巨人の場合、勝たなきゃいけないという使命、伝統があります。レギュラーの選手の調子が上向くと出られなくなるかもしれない。でも、秋広は結果を出しています。育てるなら使ってほしい。チームの要になれる素材です」と指揮官の采配に注目する。

 リーグ3連覇を狙うヤクルトは苦境に立つ。「先発投手がいないので、打ち勝つ野球しかない。順位が上がっていくための要素は、村上(宗隆内野手)しかない。復活してくれればと思うんですが……」。中日については「もう今年は2、3年後を目指して戦っているのではないでしょうか」と語る。2強で推移するのか、広島や巨人の突き上げはあるか。今後の展開が注目される。

(西村大輔 / Taisuke Nishimura)

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