判定をプレーヤーに一任 高校野球で実施された“無審判試合”…選手が得た学び
千葉商大付、白井、君津商、松戸国際、松戸向陽の5校が集って実施
高校野球のリーグ戦「Liga Agresiva」(リーガ・アグレシーバ)が全国的な広がりを見せる中、千葉県の5校が集い、斬新な取り組みを行った。審判をつけずに試合を実施。プレーしている選手がストライクやボール、アウトやセーフを判定して試合を進行したのだ。判断力や視野を広げることなどを目的とした試み。指導者にも新たな発見があったようだ。
無審判試合は、リーガに参加している千葉商大付、白井、君津商、松戸国際、松戸向陽の5校で今月7日に実施された。普段は判定を下される側の選手が、自ら判定しながら試合を進めた。当初はやや戸惑いも見えていたが徐々に慣れ、お互いの意見を尊重しながらイニングを消化していった。
リーガ・アグレシーバは通常の大会とは異なり、独自のルールや道具を定め、スポーツマンシップを学び、指導者の指導力向上などを目指す取り組み。“無審判試合”にはこれらの要素が詰まっていた。
松戸国際の沼野大貴部長は「大きく試合が止まることも、選手間で揉めることなく試合が終わり、案外できるものなのだなと驚きました」と語る。選手からは「自分のプレー以外にも目を配ることができた」という声があがったという。「選手が見て考えて判断して、視野を広げられる。この取り組みはリーガならではのものだと思います」と意義を強調した。
松戸向陽の栗原光監督は「アウトセーフやストライクの定義、野球の起源みたいなものも考えてしまいました」と述べた。お互いが“我”を通すことなく、客観視して判断しながら進めた試合。「自然とスポーツマンシップの考え方が存在して、フェアな方法で楽しむことを無意識にやっていました」と満足げだった。
プレーしながら自分で判定するとなれば、より注意力が必要になるし、次に起こり得るプレーの予測、客観的な視野などが求められる。そして何より、審判がいることが当たり前の状況でプレーしていた選手たちは、その重要性を実感できただろう。“無審判試合”は指導者にも選手にも有意義なものになったようだ。
(Full-Count編集部)
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