元中日ドラ1の次男、2年で遂げた急成長 普段は「お調子者」…仲間も驚く“豹変ぶり”

愛知尾州ボーイズの朝倉陸【写真:木村竜也】
愛知尾州ボーイズの朝倉陸【写真:木村竜也】

元中日右腕・朝倉健太氏の次男・陸選手は「愛知尾州ボーイズ」で活躍

 きりっとした顔立ちが「お父さんにそっくり」だと話題を呼んだ、あどけない小学6年生は、2年間で身長が10センチ以上伸び、たくましさあふれる中学生となった。父は、1999年ドラフト1位で中日に入団し、通算65勝を挙げた元投手の朝倉健太氏(現中日編成担当)。次男の陸選手は、中学硬式野球チームの強豪「愛知尾州ボーイズ」で成長を続けている。

 2年前の「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2021」で、中日ドラゴンズジュニアの一員として優勝に貢献。主に外野手として出場し、決勝では2本塁打を放ってみせた。中学進学後は、東海地方屈指の強豪ボーイズに所属。小学生のころはチーム練習だけで十分だと思っていたが、早速壁にぶつかった。

「全く打てなくなって、『ヤバい』って思った時があって……」。レベルの高さを目の当たりにし、危機感から自主練習を開始。「続けていたら打てるようになって、自主練の必要性を感じるようになりました」。チーム練習のない平日は肩肘のケアやジムでのトレーニング、素振りや壁当てなどに時間を割いている。

 明瞭な話しぶりはすっかり青年の雰囲気だが、仲間内ではふざけ合う等身大の中学2年生。中日ジュニアでも一緒に戦ったチームメートの山本寿希也は「普段はお調子者ですね(笑)」と評する。それでも、ひとたびグラウンドに立てばガラリ。「試合になると人が変わったようにスイッチが入る感じで、とても頼りになる存在です」と感謝する。

意外!?…元投手の父から「いつもバッティングの技術的なアドバイス」

 父と同じ投手としても頭角を現してきている陸は、11月に行われた春季全国大会愛知西支部予選の決勝に先発し、完封勝利でチームの4連覇に貢献した。来春の全国大会出場を決め「ほっとしています」と胸をなで下ろす。父から投球についての助言をもらうことは少ないようで「いつもバッティングの技術的なアドバイスはしてもらいます」と、親子のコミュニケーションを語る。

 それでも、「お父さんが試合を見に来られない時は、LINEで試合の動画を送ってアドバイスをもらっています。行き詰ったらお父さんに聞きます」ときっぱり。6月ごろに肩の違和感で練習を1か月ほど休んだ際には、「すぐにストレッチの仕方を教えてくれました」。どんな時でも、一番の拠り所となっている。

 今でも仕事で全国を飛び回る父だが「家では普通のお父さんです。いつも教えてくれて感謝しています」。野球を“共通言語”に、絆を強める親子の関係。偉大な背中をいつも間近に見ながら、自らの未来を切り拓いていく。

(木村竜也 / Tatsuya Kimura)

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