中3夏でも進路未決定「目立つしかない」 瀬戸際の“主張”…強豪校入りへの逆算思考

金足農業元主将の佐々木大夢さん【写真:本人提供】
金足農業元主将の佐々木大夢さん【写真:本人提供】

主将として2018年夏準V…佐々木大夢さんが憧れの金足農業入りを遂げた理由

 憧れの高校に入るためには、“自己アピール”も必要になる。2018年夏の甲子園で準優勝を果たした、金足農業(秋田)で主将を務めた佐々木大夢さんは、「目標を達成するために逆算していくことが必要」と語る。Full-Countでは「甲子園球児の育ち方・育て方」をテーマに、甲子園へ導いた元監督や、元球児、その保護者にインタビュー。夢や目標を叶えるために、それぞれの立場で実践できる“成長のヒント”を探った。

 佐々木さんは高校3年夏、主将を務め「2番・左翼」として第100回記念となる夏の甲子園に出場。初戦の鹿児島実業(鹿児島)に勝利すると、その後も大垣日大(岐阜)、横浜(南神奈川)、近江(滋賀)を撃破し秋田県勢では103年ぶりに決勝に進出。決勝戦では大阪桐蔭(北大阪)に敗れたが、吉田輝星(現オリックス)ら地元出身メンバーの奮闘ぶりは“金農旋風”と呼ばれた。

 進学を決めた一番の理由は「親戚が金足農業で野球をやる姿を見て、純粋にかっこいいと感じ、紫のユニホームに憧れました」と口にする。中学時代は軟式野球部に所属し、自らの実力を「飛び抜けてうまい選手ではなかったですね。チームも地方予選2回戦で負けるくらいだったので」と振り返る。

 中学3年生になっても進路は決まっていなかった。8月に最後の大会を終えると、高校の硬式野球部に入部予定者が集まる練習会に参加し、腕を磨いた。軟式から硬式に慣れる“準備期間”でもあり、高校野球の指導者も見学に来る場所だった。

大学まで野球を続け、現在は会社員「高校野球は“手段”でしかない」

 中学時代に大きな実績を残せなかった佐々木さんは、「ここで目立つしかない」と決断。得意の守備、走塁、小技を積極的に披露し、自身の存在をアピールした。すると、練習会の指導者を通じて、金足農業から声をかけてもらい、入学することが決まった。

 自身の経験を振り返り、小・中学生へのアドバイスとして、「自分がどうなりたいか、逆算することが大事」と力説する。佐々木さんは高校卒業後の一般就職も考えていたが、将来的な指導者を志すため日体大に進学。大学時代はレギュラーにはなれなかったが、4年時にはグラウンドマネジャーとしてチームを4季ぶり25度目の首都大学リーグ制覇に貢献した。

「いい意味で、高校野球が全てじゃない。今思えば、僕の中では高校野球は“手段”でしかない。全員がプロを目指すわけではなく、個々にさまざまな将来図がある。野球以外のスポーツを経験していないのですが、目標達成を経験するには野球が最適だと思います。人間性の部分だったり、困難に立ち向かう経験だったり。人生を生きていく上で必要な要素は、たくさん詰まっていると感じます」

 現在は会社員として働きながら、オフには吉田輝の自主トレに帯同するなど、今でも野球に携わっている。選手とは違った形で、再び甲子園の地を踏むこともあるかもしれない。佐々木さんは、4月1日から5夜連続で開催される「甲子園予備校」にも参加予定。公立校で旋風を巻き起こすまでの体験は、これから夢を目指す人たちに、大いに参考になるはずだ。

金足農業元主将・佐々木大夢さんも“参戦決定”!

 Full-Countと野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」では、4月1日(月)から5夜連続(午後8時から)で、オンラインイベント「甲子園予備校」を開催します。甲子園出場経験のある監督、選手と保護者がYouTubeライブに登場。指導方法や練習方法、日頃の生活習慣など、自身の経験を基に、夢や目標を叶えるための対策や準備についてヒントを授けます。参加費は無料。詳細は以下のページまで。

【甲子園予備校・詳細】

聖地の夢叶える“手段と心構え”を披露 元監督・球児・保護者集結、「甲子園予備校」開催

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(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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