リリーフ配転で開いた新境地 33歳右腕が遂げた進化…復活の球威、リーグ1位の76.4%
救援に配転の楽天・則本は与四球が激減…ストライク率は76.4%を誇る
昨季までの11年間で通算114勝を挙げるなど、エースとして楽天の先発陣をけん引してきた則本昂大投手。チームの絶対的守護神だった松井裕樹投手がメジャーへ移籍したことに伴い、今江敏晃監督から配置転換を打診され、今季はクローザーを務めている。ここまでセーブ失敗は1度のみで1勝0敗、リーグ2位の17セーブ、防御率2.13をマークしている。
1イニング当たりに許した走者の数を示す指標「WHIP」は1.03と低い。その要因は、与四球率の低さにある。1.07(25回1/3で3与四球)と、ペースとしては昨季から半減。被打率は.245だが、失点を抑えているのは、余計な走者を出さない投球ができているからだろう。
今季はストレートの平均球速が3.7キロ上がって150キロ台に達し、奪空振り率もそれに伴ってリーグ平均の6.6%を上回る9.0%にアップ。近年落ち込んでいた球威が復活している。リリーフ転向で短いイニングに力を集中できるようになったことが、球威向上の1番の要因だろう。
則本本人がストレートの球威向上に手応えを感じているためか、今季はストレートの割合が61.8%と高い数値を記録。過去に60%以上になったことはない。ストライク率もリーグトップの76.4%で、昨季の65.3%から大幅に上昇した。例年は対戦打者の約5人に1人はカウントが3ボールとなっていたが、今季は約8人に1人とカウントを悪くするケースが少なくなっている。
「日本生命セ・パ交流戦2024」では球団創設20年目にして初優勝を果たした楽天。33歳の則本は守護神という新たな役割で快進撃に貢献した。リリーフ配転1年目でどんな成績を残すか、今後の投球が注目される。
(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)