先発の調整→救援再転向…1/3回で4失点炎上 古田島成龍の忘れない「ありがたい失敗」

オリックス・古田島成龍【写真:小林靖】
オリックス・古田島成龍【写真:小林靖】

3月18日のDeNA戦は1/3回で5安打4失点

 失敗から学ぶ。オリックスの古田島成龍投手がオープン戦での失敗を胸に、シーズンに臨んでいる。

「あんなに打たれたのは初めてだったんですが、それが今につながっていると思います。もう、ありがたい失敗でした」

 古田島が振り返ったのは3月18日のDeNA戦(横浜)だった。0-5の7回に3番手として登板したが、打者7人に対し29球、被安打5、1与四球、4失点(自責点3)で1死しか取れず降板。3月8日の巨人戦(京セラドーム)以来の調整登板で。公式戦では経験をしない10日ぶりのマウンドが影響したとも考えられたが、古田島によると「丁寧にいき過ぎた」結果だという。

「あの時は(社会人時代の)先発をしていたみたいな感じで、丁寧にいっちゃったんです。僕は、ホントはそのタイプじゃなくて、ゾーンに真っすぐ投げ込んでファウルを取るというスタイルなんです。きれいにやろうとしちゃってたんで、そこはダメなんだと。アバウトに、ボールの強さで勝負するというのが僕のウリだと、改めて思いました」と振り返る。

 チーム事情もあり、昨オフに先発への転向が決まり、春季キャンプ中盤までは先発での調整を続けてきた。キャンプ終盤での中継ぎへの再転向にも「まだ、先発に挑戦したばかりで、調整への影響はありません」と語っていたが、多少の影響はあったことだろう。

 2025年のシーズン初登板となった3月29日の楽天戦(同)では、1-2の8回からのマウンドで打者3人を連続三振で仕留め、その裏の同点劇を引き出した。先発用に磨いてきたカーブで緩急の差をつける新たなスタイルも披露しての快投だった。「1点差で、流れを持ってきたいという場面だったのでよかったんじゃないかと思います」。

 マウンドで吠え、ガッツポーズでベンチへ引きあげる“優勝先生”のスタイルは変えず、チームを鼓舞する。

○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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