菊池雄星を襲った“激狭”スタジアム 指揮官は擁護も…満塁被弾は反省「もう少し工夫を」

レイズ戦に先発したエンゼルス・菊池雄星【写真:Getty Images】
レイズ戦に先発したエンゼルス・菊池雄星【写真:Getty Images】

初回の満塁弾は飛距離約99メートル

【MLB】レイズ 5ー4 エンゼルス(日本時間10日・タンパ)

 エンゼルスの菊池雄星投手は9日、(日本時間10日)、敵地タンパでのレイズ戦で移籍後初勝利はならなかった。今季3度目の登板は6回を6安打4失点、5奪三振、3四球で降板。チームは4-5で敗れ、2敗目を喫した。菊池は試合後、「まっすぐを狙われていたし、もう少し工夫すればよかった」と、初回の満塁弾を悔やしがった。

 痛恨だった。初回は2死一、三塁からジャンセンを四球で歩かせて満塁のピンチを招いた。ここで6番カバジェロには初球の外角高めの95マイル(約153キロ)を右翼席へ放り込まれ、先制満塁弾を浴びた。

 対戦相手のレイズは今季、ハリケーン被害で本拠地のトロピカーナ・フィールドが使えないため、ヤンキースのキャンプ施設ジョージスタインブレナー・フィールドを使用している。ヤンキースタジアムと同じ形状で右翼まで314フィート(約95.7メートル)と狭く、本塁打が出やすい造りとなっている。この日両軍から出た計6本塁打は全て右翼席へ飛び込んでいった。

 菊池が許した一発は327フィート(約99.6メートル)でフェンスオーバー。ロン・ワシントン監督は「右翼まで314フィートはヤンキースタジアムと同じ。“ヤンキー・ミニ・スタジアム”だ。ライトフライが柵越えになるのはよくあることだし、それが今日ここでも起きた」とかばった。一方の菊池は「狭い球場。上がるとああいうことが起きるので仕方ない。うまく打たれた」と淡々としていた。

 2回以降はチェンジアップを巧みに操り、両打ちを含む右打者が9人並んだレイズ打線のタイミングを外して6回まで追加点を与えなかった。チェンジアップについては「ビハインドカウントでも使えました。ストライクゾーンにいけばタイミングを崩すこともできるので手応えをつかみました」と、今後に向けて収穫も得ていた。

 エンゼルスに移籍1年目は自身初の開幕投手を任されたホワイトソックス戦で6回3失点で黒星、前回のカージナルス戦も6回3失点で白星をつかめなかった。それでも、3試合続けて6回を投げきり、先発としての役割は最低限果たしている。

「まだまだ自分の持ってるものの60%くらいしか出せていないという気持ちもありますけど、その中で6回を投げ切れているというのは最低限の仕事はできています。ところどころいいボールも出始めている。これを続けていけばストレートもよくなると思うので、引き続き調子を上げていきたいです」。0勝2敗という滑り出しとなったが、数字以上に内容には手応えも感じとっていた。

【実際の映像】菊池雄星も呆然…飛距離99mなのに柵越えしたまさかの満塁弾

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