“必然”だったキケの美技 試合後に明かしたワンプレーの裏側「少し深めを」

9回1死一、二塁で一塁手のキケが美技
【MLB】ドジャース 6ー5 ナショナルズ(日本時間10日・ワシントンDC)
ドジャースは9日(日本時間10日)、敵地でのナショナルズ戦に6-5で勝利。1点差を逃げ切って連敗を3で止めた。9回には一打サヨナラの窮地となるも、エンリケ・ヘルナンデス内野手が超絶美技でチームを救った。試合後、好守を引き寄せた“思考”を明かしてくれた。
初回に4点を先制しながら早々に逆転を許したドジャース。それでも7回に同点に追いつき、大谷翔平投手のヒットと盗塁で勝ち越しに成功した。しかし、守備陣のお見合いもあって1死一、二塁のピンチ。迎えるは、この日先頭打者弾を放った気鋭のCJ・エイブラムス内野手。ブレイク・トライネン投手のスイーパーを痛打した打球は一、二塁間を襲った。
しかし、深めに守っていたE・ヘルナンデスがダイビングして捕球。そのまま二塁に送球してアウトを取った。二塁封殺も難しいプレーだが、そもそもキャッチすることも簡単ではなかった。果たして、なぜあの守備隊形を取ったのだろうか。
「三塁を守っているつもりで一塁の守備に就いているんだ。二塁には同点、一塁には逆転の走者がいたから、マウンドで集まった時、打者が(左の)CJ(エイブラムス)だったこともあり、ブレイク(トライネン)に少し深めを守ると伝えたんだ。守備範囲を広げたかったんだ。なので、ブレイクにはベースカバーを忘れないでくれと言った」
打者の傾向を読み、深めに守ったという。読みが的中した形になったものの、「打球は(野手の)間を行って、イレギュラーした。自分から逃げて行くような打球だった。左打者が打ったら通常はこちらに向かってくるからね。なので捕れるかどうかわからなかった」と明かす。
それでも「捕球したあと、アウトにするチャンスがあるとすれば二塁しかないと即時に思った。彼(エイブラムス)は超俊足で、ブレイクがベースカバーしないといけなかったからね。私も変な態勢だったから、一塁に投げるには(身体を)ねじる必要があった」と、瞬時に判断し、二塁でのアウトを最優先したようだ。
ゴールドグラブ受賞経験はないが、内外野全てのポジションをこなしてきた33歳。デーブ・ロバーツ監督も「まず右投げでないといけないし、捕球して、正確な送球もしないといけない。アウトを奪うにはあの方法以外に思いつかない。一塁のレギュラーを務めたら、彼はゴールドグラブ賞を獲得すると思う。それくらい彼は一塁でいい守備をする」と絶賛した。プロフェッショナルの思考が、ドジャースに大きな勝利をもたらした。
(Full-Count編集部)
