勝利に貢献しなかった真の“赤点助っ人”は…データで検証、意外な顔ぶれも?
セイバーメトリクスの指標「WAR」を用いて検証
“助っ人”と呼ばれることも多い外国人選手たち。メジャーリーグ出身など輝かしい実績を引っ提げてNPBにやってくるが、環境の違いなどで苦戦するケースも少なくない。今季プレーした選手の中で、データ的に“期待外れ”だったのは誰か……。野球を科学的に分析するセイバーメトリクスの視点から打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標である「WAR(Wins Above Replacement)」を用いて考えてみたい。
WARとは、「そのポジションの平均以下の代替可能選手に比べて、どれだけ勝利数を上積みしたか」を統計的に推計した指標。数値が大きいほど、勝利への貢献度が大きいとされる。今回は、セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを参照に検証した。投球回数や打席数に制限を設けずに抽出。出場ゼロの選手は「0.0」となるため、マイナス指標になった選手をランク付けした。
【野手】
アルシデス・エスコバー(ヤクルト)-2.4
アデルリン・ロドリゲス(オリックス)-1.5
ホセ・ロペス(DeNA)-1.0
アレハンドロ・メヒア(広島)-0.8
ホセ・ピレラ(広島)-0.8
もっとも“期待外れ”だったはヤクルト・エスコバーという結果に。ロイヤルズ時代の2015年にワールドシリーズ制覇に貢献し、ゴールドグラブ賞も獲得した名手として鳴り物入りで入団するも、わずか1年で退団となった。今季は104試合に出場し、打率.273、1本塁打、30打点、1盗塁。エスコバーはWARだけでなく、リーグの同じ守備位置の平均的な選手が守る場合に比べて、どれだけの失点を防いだかを示す守備の総合指標「UZR(Ultimate Zone Rating)」でも、12球団で群を抜くワーストの「-21.2」だった。
“ブービー”となったのはオリックスのロドリゲス。来日1年目の今季は59試合出場で、期待された長打も6本塁打にとどまった。8失策を記録するなど一塁での守備の不安も露呈。わずか1年でチームを去ることになった。下から3番目はDeNAのロペス。今季は日米での各1000安打の偉業を達成したものの、来日最少の81試合にとどまった。ワースト5選手は広島のメヒア以外は今季限りでの退団が決まっている。