「外すのは簡単な話」 打率1割台も…井口監督が安田を4番で起用し続ける理由
ロッテ井口監督が語るリアルな想いを届ける月連載・第3回
プロ野球は開幕から3カードを終え、セ・パ両リーグともにスタートダッシュに成功したチーム、なかなか勝ち星に恵まれなかったチームと様々だった。今季は延長戦がなく9回で終了となったため、引き分けが多いのも特徴的。引き分けの数がペナントレースにどんな影響を与えるのか、シーズンが進むに連れて観戦のポイントともなりそうだ。
就任4年目の井口資仁監督率いるロッテは、3月26日の開幕から5連敗と足踏みをしたが、カレンダーが切り替わった4月1日から3連勝1引き分けと奮起。なかなかタイムリーが出なかった打線だが、4月1日は楽天、2日は日本ハムを相手に16点ずつを挙げるなど、目を覚ました。
1点の重みを感じるスタートとなった2021年シーズン。井口監督のリアルな想いを毎月お届けする連載シリーズ第3回は、1勝の難しさ、開幕3カードで掴んだ手応えなどについて語る。【取材・構成 / 佐藤直子】
◇ ◇ ◇
いよいよ今シーズンが開幕しました。僕は例年通り、実家近くにある田無神社で祈祷をし、赤飯と鯛を食べ開幕を迎えましたが、なかなか勝ち星に恵まれず。5連敗スタートという形でファンの皆さんをヤキモキさせてしまったかもしれません。本拠地のZOZOマリンスタジアムに戻ってからも2戦勝てず、本当に申し訳ないと思っていましたが、今季6戦目となる4月1日の楽天戦は大きな勝利を届けることができました。
5連敗中は勝つことの難しさを感じる期間ではありましたが、決して悲観していたわけではありません。相手の手強さを感じたというより、自分たちの野球さえできれば勝てるという手応えを掴みました。先発陣はしっかりゲームを作ってくれたし、河村説人、土居豪人といった新戦力がしっかり放ってくれた。その中で、やはり点が取れていない事実はありました。若い選手を起用しながら勝つ難しさを実感したわけですが、彼らを生かす意味でも中堅やベテランがしっかりしないといけない。相手バッテリーの意識が若手に集中する打線では、まだまだだと思います。
4番起用を続けている安田尚憲は、フォアボールを選ぶなど工夫しながら出塁していますが、去年しっかり1軍を経験させた中でどう成長するかは本人次第。我々は彼を信じるだけですし、当然本人はそこで成長しないといけない。大切なのは、ここまでどういうアプローチをしてきたかというところ。今が良くても、たかが3カード。シーズン中でも調子の上がらない期間はありますが、それを本人がどう捉えるか。たかが3カードでやってきたことを全部覆して、まったく違う形にするのはおかしいと思います。